今度はコード進行を逆転





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  これはクラシックの世界で使われる
  「終止形」と呼ばれる和音の進行に、
  我々が使っているコードネームをつけたもの。

 
 
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  それが、ビバップと呼ばれるジャズのスタイルではこうなります。
  バークリーのメソッドでは「ドミナントモーション」とか
  「ツーファイブ」と呼ばれ、
  あたかも世の中の全ての音楽はこの和声の進行で出来ているか
  のような説明を受けます。
  注目すべきは低音の動きで、4度音程で上行しています。
  その低音の動きを逆に下行させるとこうなります。

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  このコード進行で最も有名なポップスの曲は、
  ビートルズの「ヘイジュード」の終わりの部分でしょう。
  延々とこのコード進行を繰り返しています。

 
 
バークリーのメソッドではこのコード進行に対して「ドミナントモーション」のような明確な説明はされてないような気がします。クラシックに至っては「禁則(やってはいけない)」とさえ言われます。
おそらく、それぞれのコードの7thの音が、次の7thコードのマイナーの音になってしまい、調性を決定することが困難になるためか?と思われます。
ん?メージャーとマイナーの音が同居するって、それ、ブルースやんか?
いや、まさにこのコード進行そのものがブルースと言えるでしょう。

いわゆる「原型」といわれるブルースの形がこれ。

Blues1


 
    先ほど言った低音が4度音程で下行
  (コード F -> C )が全部で三カ所。
  俗にアーメン進行と呼ばれる部分です。
  この進行でやると、
  いわゆる「こてこて」のブルースですね。


 
 
 

それがビバップでチャーリーパーカー等がやっていたブルースの一例を挙げると、

Blues2
 
 
 

  コード F -> C は全て消滅して、
  見事に低音が4度音程で
  上行する形に変えられています。
  で、「こてこて」感は微塵も無くなって
  見事に洗練された印象となります。
 
 
 
 

この、低音が「上がって行く」か「下がって行く」か、4度だけでなく半音進行等でも試してみると、同じ曲でもがらっと印象が変わってしまうことがよくあります。あっ、裏コード使ってる時って「4度上がる」ところを「半音下がる」んですよね。意識してました?


それにしても、「こてこて」のコード進行でも思いっきり洗練されたコード進行でも、洗練されたフレーズと「こてこて」のフレーズを行ったり来たりのハービーハンコックってなんなんでしょう?



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